TREES IN SKY

主よ 貴方を愛するための力を 私にお与えください

One Day thought / Memory in Moment / Contemporary Poetry / Picture Anthology / 空の木々 / Sora no Kigi

Fugue to Freedom        自由への遁走152

One Day Thought 春の 雨垂れ 緑の葉っぱも 濡れているね もっと早く 行こうよ 友達と 遊ぶから 薄暮れた 部屋の灯り 空が 明るいね 赤い傘を 貸して 踏切まで 走って行くから Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走151 (171 Video Poetry14-15)

One Day Thought 十二月の夢を 見ました 未だ 陽が高く 青空が 地上に降る頃 音の無い 世界から 何処からと なく耳元に 木々の ざわめきが響く ふと 振り返れば 色付く落葉が 大きく舞い 青空を映す 水面に 静かに 落ちて行く 夢に見た 幻想のように Memory …

Fugue to Freedom        自由への遁走150

One Day Thought 車窓から 手を振って 笑顔を 絶やさず 僕を 見詰めている この距離は もう既に 柔らかさと 温もりを 手に触れて 確かめられない 多くの事を 喪失し 愛しい 温もりを 再び 記憶に 留める Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走149

One Day Thought 主よ 見守り給え 飽くなき 欲望の 昂まりの後 遁走する 憐れな 私達を 主よ 恵みを与え給え 見棄てられ 母の国も 知らない子供達を 自由と 信仰から 遠ざけられた 人達を 主よ 喜びを分かち賜え 悲惨な人達と 共に生きる 真心を 怖れに 打ち…

Fugue to Freedom        自由への遁走148

One Day Thought 深秋の 渓谷が 未練を 残しながら 漆黒の 闇に 変わり 山腹の 鐘楼に 伝説の 物語が 白い 明りを 灯す 尾根の 稜線に 沿って 薄水色の 空が 仄かに 輝く 其れは 未だ 見ぬ 月の 光に 違いなく Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走147

One Day Thought 心を 開いてごらん 貴方に 訪れる 言葉の 優しさと 物の 美しさに 喜びが 心に満ち 喜びを 知ることを 感謝する 時に 優しさと 美しさは 貴方への 贈物 さあ 心を開いて 御心に 捧げよう 喜びの 鐘の音を Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走146 

One Day Thought アモーレ 潤んだ 鋭い 眼差し 夏の風が 摺(す)り 抜ける ワンピースの 白い肌 黄昏の 余韻が 包む ひと時の 微笑み 未だ 見ぬ 夢の 始まり Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走145

One Day Thought 時 知れず 薄水色の 淡い空 桃色に 染まる雲 未だ見ぬ 月の光こおろぎ こおろぎの 時雨 燭台の 明かり 香櫨(こうろ)の 香 心が さ迷う 片時の 宙 時 知らず Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走143

One Day Thought 私達が 愛するものは 何処に でもある 唯一 愛するものは 眼差しの中に だけある 愛という 眼差しは 物語の中に 生まれる 物語は スタイルを変え 常に生まれ 変わる Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走144

One Day Thought 時 知れず 湧き上がる 面影 過ぎ去りし 悔悟 然りとて 君を想うと 流れ去りし 幾瀬 言葉が 縺(もつ)れる 何時しか 巡(めぐ)れども 時 知らず Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走142

One Day Thought 私を 可愛いと 言って くれるなら 遠い世界に 連れて行って 過去を断ち 切ったところへ 私が 瞼を閉じて 物思いに 更けたら 優しく教えて くださいね 新しい世界は とても美しいと 私が 俯いて 恥じらっていたら しっかり 抱き締めてね 心と…

Fugue to Freedom        自由への遁走141

One Day Thought 死の川が 流れる 光と闇が 交じり合う中を そして世界が 見える 絶望に立ち 竦(すく)む時がある 欲望を貪(むさぼ)り 尽くす時がある また世界が 変わる 喜びに心 安らぐ時が来る 望みを祈りに 託す時が来る 愁いと 哀しみの中を 死の川が 流…

Fugue to Freedom        自由への遁走140

One Day Thought 細(こま)やかな 分節に 文脈が 流れ 情感が 溢れ出る 空間が 繋がり 文脈が 留められ 情感が 湛えられる 眼差しが 感動を 描く 束の間に Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走139

One Day Thought 荒縄で 組まれた バンブーの 格子から 明るい日差しに 和(なご)んだ 木立ちが 映る 風にざわめく 木々の緑葉が 日差しを 受けて 無数の風車の ように輝き 何れかしこに 陽だまりの 暖か味を 感じさせる ブラウンと セージグリーン そして様…

Fugue to Freedom        自由への遁走138

One Day Thought 光と闇に似て 絶え間なく 愛と憎しみが 鬩(せめ)ぎ合う 貴方は 幸福を告げる 鐘の音を 聴きましたか 其の時 嘆きの唱が 天井に響いていましたか 貴方は 森に棲む小鳥の 囀りを 聴きましたか 其の時 黒い大きな翼が 瞳を遮りましたか 貴方は …

Fugue to Freedom        自由への遁走137

One Day Thought 光が 様々な事物の 陰影を 作り出し 光彩の 乱舞には 密かに 闇が 潜む 光は闇の中に 光彩を 描き 闇は光の中に 濁点を 残す 校庭に 子ども達の 声が 木霊(こだま)し 時計台が 時刻を刻む ふと 僕を 呼ぶ声がする 午後の 闇から Memory in M…

Fugue to Freedom        自由への遁走136

One Day Thought 午後の 陽射し 市松模様 の敷石に 鋳鉄の 彫像が 強い影 を下ろす 白い鳩の 群れが 空中と 地面を 切り裂く 静寂が 世界の畏れを 告げている 午後の 突風 緑が覆う 湖岸の公園 大きな鐘楼に 時の 動きが 止まる ブーケを翳し 新婦が 一時を …

Fugue to Freedom        自由への遁走135

One Day Thought 月の光に 満たされて 窓辺に微睡(まどろ)む 紫の花 森の風が 辿り着き 汐風の香りに 消えて行く 波音が 砂浜に届き 森の囁きを 探している 雨に濡れた 花弁から 甘い雫が 零(こぼ)れ落ちる 深い記憶の 世界が 紫の花を 抱き締める Memory in…

Fugue to Freedom        自由への遁走134

One Day Thought 渓谷の 山膚が 未練を残しながらも 漆黒の闇 に変わる 山腹の寺院の 鐘楼が 伝説の物語の如く 白く 明りが灯る 尾根の稜線 に沿って 薄水色の空が 仄かに 輝く 其れは 未だ見ぬ 月の光に違いなく 深秋 の残像 Memory in Moment

fugue to Freedom        自由への遁走133

One Day Thought 空と野の 境に 蜃気楼が 現れる頃ですね 深い緑の 葉っぱが 木立を すっぽり覆い 艶やかな 紅色の花弁が 無数に咲き乱れる 木立の野は 大きな花弁が 緑の裾から落ち 円の輪の形に 鮮やかな紅色に 染まっている 木立の空は 穏やかな 陽射しに…

Fugue to Freedom        自由への遁走132

One Day Thought 胸が弾けそう でも じっと 見詰めていたい 貴方は 今 どんな心ですか 遠い年月を 隔てて 記憶の暗闇を 手繰(たぐ)ったら 薄明りの 瞼に 何かが 甦る 今 この時も この思いを 証に留めよう いつか 幻影が 甦る 時の為に Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走131

One Day Thought 泣いてるんだろう 哀れな心に 涙が溢れてる 落胆しなくて 良いよ 独りで頑張って 来たんだから さあ 涙を拭いて 愛する人と 語ろう 静かに 聞えて来るよ 希望の 鐘の音が Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走130

One Day Thought 夏の夜が 執拗に ざわめき 遠い 追憶の世界が 甦る ハイウエイを 疾走する君は 涙が 止まらなかった どうしても あの時 世界が 欲しかったのだ 出来うるならば もう一度 あの時の君と 出会いたい Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走129

One Day Thought 貴方は もう 往かないのですか 愛する人が 眠る土地へ 貴方は 祈りを 捧げないのですか 季節の 花の彩りを 胸に抱きながら 森の小鳥が 貴方を 密かに探している そう 貴方の心は 永遠にストライダー 清澄な 青空に 寂しく 風が舞う頃 貴方に…

Fugue to Freedom        自由への遁走128

One Day Thought 貴方が今 見詰ているものは 水平線 空と雲 木々 そして 水面ですか 其れとも 子ども達 恋人達 そして 老いた人達ですか いや 貴方は 今 永遠を 見詰めている 筈 その眼差しは 渇いていますか それとも 潤んでいますか 深い困惑に 世界が意味…

Fugue to Freedom        自由への遁走127

One Day Thought 君は今 永遠を 見詰めている その瞳は 渇いていますか それとも 潤んでいますか 突如 深い困惑に 世界が 意味を失い 遠い記憶の 淵を辿り 再び 世界に 意味が戻る その時 君は 優しく 永遠を 見詰めている 人は それを 哀愁 と呼ぶ いつも …

Fugue to Freedom        自由への遁走126

One Day Thought 貴女に 初めて逢った夜の 星の色も 月の色も 憶えていません 貴女が 纏ったドレスの シルクの色も ビーズの色も 憶えていません 眩(まばゆ)い夜空の 煌きが 貴女を 包んでいました 再び 貴女に逢えた 昨夜のこと 貴女と 方舟に揺られ 月夜を…

Fugue to Freedom        自由への遁走125

One Day Thought 貴女に 初めて逢った日の 空の色を 憶えていません 月の色も 憶えていません 貴女が僕を ダンスに誘った日の 大理石の色を 憶えていません クリスタルの色も 憶えていません 眩(まばゆ)い光の煌きだけを 憶えています 再び 貴女に 逢えた昨…

Fugue to Freedom        自由への遁走124

One Day Thought 気弱な顔 寂しげな瞳 焦りながら 訴える口元 心配を 心一杯に 温かい抱擁を 待っている ふと意を 決した声 大切な事を 誓ったのだろう そして 笑い声 小さな手が 腕に絡む 愛しい 子が いま 眠りに就く Memory in Moment

Fugue to Freedom        自由への遁走123

One Day Thought 幾つもの 過剰が終わり 身を屈めて いたものが 次の 過剰を 待ち侘(わ)びている 天上の清澄な 青空は 南の水平線 まで雲を広げ 既に 世界は 形を変えている 地上には 終末が群がり 夫々が来た道を 帰って行く 静かな 夏の 終わり Memory in …